2022年8月号
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演技も舞台挨拶も自然体で 異色の〝キッズ青春映画〟と話題の快作『こちらあみ子』(八丁座ほかで上映中)の森井勇佑監督、主演の大沢一菜、兄役・奥村天晴、のり君役・大関悠士、坊主頭役・橘高享牧が公開前キャンペーンで来広、先行上映会で舞台挨拶に立った。 広島出身の芥川賞作家・今村夏子の原作には地名が明確に示されてはなかったが、全編を広島でロケした理由を問われ、森井監督は「特に呉の広小坪を見つけた時、〝あみ子がここで生きている〟って映像として思い浮かべられましたね。町並みの柔らかさっていうか、少し不思議な感じに凄く魅かれました」と。 その森井監督がオーディションで「芝居を見る前、その佇まいに一目惚れした」という大沢は演技未経験ながら、自由奔放な主人公を快演。「あまり緊張しなくて(他の子役が)皆んなほぼ未経験だったから〝安全〟でしたね」とケロリ。森井監督から「あみ子を演じなくていいんだよ」と言われ、自然体で演じたと言う。が、完成した作品を観て「あれ? いつも(の自分)と違うなって思いました。やることがヤンチャで…」と苦笑する。 広島弁を覚えるのが大変だったと子役たちは口を揃えるが、それでも皆、撮影中もカットがかかると即、キッズに戻って遊んでいたと明かすが、それも森井流の操縦法か。 舞台挨拶前に控え室を覗いたら、大沢たち子役はキャッキャと戯れていた。大沢に「大きくなったら女優さんになるのかな?」と声をかけると、首を傾げ「う〜ん、分かんない」と欲のない返事。これは逆に大物の片鱗かも知れない。森井監督と目を合わせ「樹木希林さんのような怪優になるかも…」と笑った。森井勇佑監督、主演の大沢一菜らキッズ青春映画『こちらあみ子』か な舞台挨拶に立った(右から)森井勇佑監督、奥村天晴、大沢一菜、大関悠士、橘高享牧〔7月5日=八丁座で〕三舞台挨拶舞台挨拶

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