2022年9月
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12※写真は『吟ずる者たち』クランクインの2018年11月16日、東広島・西条酒蔵通りにカメラを構えた小松原茂さん◆感動作『吟ずる者たち』初のホール上映会が7月31日に竹原市民館で開催、小生も映画用の半纏と前掛けを着けてお手伝いに行ってきました。コロナ禍が再燃する中、席数を制限しての開催でしたが、油谷誠至監督の故郷とあって旧知の人々が大勢駆けつけてくださり大成功。◆上映の合間に油谷監督と雑談している時に突然、カメラマンの小松原茂さんが急逝されたと聞き、ショックを受けました。6月30日のことで、享年73歳―早速、世田谷のご自宅に御供をお送りすると、すぐに奥様からお電話をいただきました。◆実は『吟ずる者たち』撮影中から体調がすぐれないと聞いていましたが、三分の二ほど撮り終えて製作資金難から中断した際、小松原さんは自腹で竹原に残り、監督補の桑原昌英さんと二人、藤井酒造の協力で酒樽にカメラを据えて“発酵”の実景を撮り続けていらしたのです!。小生は大吟醸の一升瓶を手土産に、滞在先をお訪ねしました。小松原さんはお得意の鍋料理でもてなしてくださいました。◆その夜は三人で、アルコール度数の低い発泡酒と、少しだけ大吟醸を味わいながら、楽しく映画談義に花を咲かせました。それが最後になるとは…。翌年の年賀状には「大吟醸の発酵を撮りたい!」とありましたのに叶いませんでした…。◆奥様によると帰京後の検査で大脳に難病が見つかり、入退院の繰り返し。今年の春ごろにはコロナが落ち着きようやく面会できたので、ノンアルコールのビールをそっと持って行かれたところ「アルコールのないのは飲まん!」とお元気だったとか。◆小松原さんは今村昌平監督の名作『うなぎ』(ʼ97)と『カンゾー先生』(ʼ98)で日本アカデミー賞優秀撮影賞に輝いたほか、今村

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