2022年11月
11/24

しょく日本では、もうオリンピックが開催できないかもしれない。2020東京・五輪パラリンピックを巡る汚職事件が発覚拡大。しかも開催前からエンブレム(紋章)盗作容疑による再公募や主会場の設計見直し、主催都市の東京都知事連続交代や誘致ワイロ疑惑のJОC会長の辞任、女性蔑視発言をめぐる組織委会長の引責辞任と不祥事続きだった。「日本はオリンピック開催の資格なし」との声も聞こえてくる。東京地検特捜部はこれまでに収賄容疑で大会組織委の元理事ら二人、贈賄容疑でKADОKAWAの元専務や広告代理店の役員らを逮捕。スポンサー募集にまつわるワイロの総額は一億円を超すとみられる。中心人物の大会組織委元理事は広告大手の元幹部で、組織委理事に就任する前からワイロ授受への画策をしていたようだ。いずれも逮捕容疑は否認しているが、五輪スポンサーをめぐる〝ワイロ疑惑〟は、多くの大会で問題視されてきた。2020東京大会の不祥事の多さはこの欄『七転八倒』で《オリンピック憲章の基本方針に戻れ》と指摘したところだ。    十しごりんお  そうした中、札幌市が招致を目指す2030年冬季五輪開催地選定で国際オリンピック委は年内の候補地一本化を見送るとの判断。やはり東京五輪汚職事件の拡大が影響している、との見方が強い。いや、「オリンピックに準ずる競技も日本開催は無理なのでは…」との悲観的な見方も広がっている。オリンピック開催に多額の金が飛び交うようになったのは、いつのことか。アメリカ大陸での開催からだろう。「日本では熱い夏なのに米国の季節に合わせた開催強行の決定」などは、テレビの放映権と莫大なスポンサー料が絡む典型的な事例であることは周知の事実だ。近年の過度な商業主義や五輪憲章逸脱は、オリンピックへの期待や信頼を失いつつある。「何のための、誰のためのオリンピックなのか」―今一度よく考えてみたい。ぞうわいべっしゅうわいかくさくばくだいからその二百九五輪汚職発覚拡大の﹁東京大会﹂

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る