2023年2月
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Doctor Zhivago〔1965年=英米/MGM配給/197分◆デビッド・リーン監督〕14File No.62 「雪」で真っ先に思い出す映画はこれ!。古くは『逢びき』、戦後もあの『旅情』や『戦場にかける橋』『アラビアのロレンス』『ライアンの娘』などの名作で知られる巨匠デビッド・リーン監督が、ボリス・パステルナークの小説を映画化した大作。英米合作だが、製作は『道』『鉄道員』『昨日・今日・明日』『ひまわり』などの秀作を手掛けたイタリアの大物カルロ・ポンティ(ソフィア・ローレンのご主人) 19世紀末、ロシア革命を背景にした大河ロマン。医師で詩人でもあるユーリー・ジバゴ(オマー・シャリフ)と妻トーニャ(ジェラルディン・チャップリン)、仕立屋の娘ラーラ(ジュリー・クリスティ)と恋人の革命家パーシャ(トム・コートネイ)、ラーラに手を出す弁護士コマロフスキー(ロッド・スタイガー)たちが数奇な運命で絡み合い、軍医になったジバゴと看護婦として働くラーラが戦場で再会、2人は許されぬ恋におちる…。ジバゴとラーラが人里離れた荒野でひっそり暮らす家は雪に囲まれ、それでも僅かな火にあたり幸せに暮らす…そんな場面に流れる流麗な「ラーラのテーマ」に酔いしれたものだ。作曲は名匠モーリス・ジャール。そして撮影は名手フレディ・ヤング。脚色のロバート・ボルトと一緒にリーン監督とは『―ロレンス』『ライアンの娘』でも手を組んだ。 アカデミー賞では脚色・撮影・美術・衣装・作曲でオスカー像を手にしたが、作品・監督賞などは『サウンド・オブ・ミュージック』に持って行かれた。ゴールデン・グローブ賞では作品・監督・脚色・主演男優・作曲賞を受賞。 なおアレック・ギネス、ラルフ・リチャードソンら脇の名優たちにもご注目。ちなみにこの秀作、ロシアでは1994年に公開された。『ドクトル・ジバゴ』

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