2023年3月
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 第21巻・第3号/通巻237号13平和教材に掲載、それを糸口に被爆の実相を学んで欲しい―と考えたはず。『はだしのゲン』の全てを詳しく紹介するのが目的ではなかったのは明らかです。◆欲しいものが何でも手に入る《飽食の時代》と言われて久しく現代に生きる子供たちには戦争の愚かさや悲惨さ、戦後の混乱や生きることの困難はなかなかピンとこないでしょう。だからこそ年齢の近いゲンを通し当時のことを学ぶきっかけになって欲しいという狙いだったはず。それを今になって…。◆ゲンを知ることで戦争と平和について考えるのも、被爆者の実体験を聴いて核兵器の恐怖を実感するのも、資料館を見学し感想文を書くのも、子供たちが「自ら考え、行動する」入り口になるのではないでしょうか?。それを傍で支え、導き、育てるのが「教育」であり教師の役目のはず。その“本質”を見失った大人たちが“お役人的な感性”で教材を変えたり、国家が過去の“不都合な真実”を歴史の教科書から抹消したりしては、若者は永遠に「真実」を学べません。◆どうもこのところ政治家いや政治屋とか官僚、お役人たちの独善的な感性や貪欲な発想から多種多彩な事件や問題が起こり世間を騒がせています。それは例えば五輪談合疑惑のように、経験豊富な専門家が効率よく、しかもウィン・ウィンな結果になるよう調整する風潮が著しいようで、経験豊富な裏社会の輩たちも真似ているようです。◆なんとも生き難い世の中ではあっても、胸を張って生きたいもの。これまで「自ら考え、行動する」ことを教わったとおりに真っ直ぐ歩きたい!  【良】令和5年3月号 ●2023年3月1日発行

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